春は会社での異動や転勤が多くなる季節。また、定年などにより退職される方が多い季節でもあります。
そして、異動や転勤、定年退職というと、必ず開催されるのが送別会ですね。
もしかすると、あなたも送る側として、幹事をしたり、締めの言葉を考えたりなど、忙しく準備されているのではないでしょうか?
そこで今回は「送別会の締めの言葉」にオススメの例文と、宴会でよく行われる「一本締め」や「三本締め」の意味や違いについてまとめてみました。
もし良かったら、参考にしてみてくださいね。
サクッと流し読み
異動・転勤者には「今後ともよろしく」という雰囲気の言葉
異動、転勤される方の送別会での締めの一言には、これまでお世話になったことへの感謝の言葉や、ねぎらいの言葉、新しい職場での活躍を期待するような言葉を織り交ぜると良いでしょう。
今後も仕事上でのお付き合いは続いていくワケですから、「別れの言葉」というよりは、「今後ともよろしく」といった雰囲気で、明るく送り出してあげるような言葉でまとめた方が違和感を感じないと思います。
それでは、上記を踏まえて例文をご紹介します。
新天地におかれましても、お体に気を付けて、ますますご活躍されることをお祈りしています。
今後もなにかしらお仕事でご一緒することもあるかと思いますが、その時はまたよろしくお願いいたします。
例文では「栄転」の言葉を使用していますが、栄転じゃない場合には「大変おつかれさまでした」など、これまでの功績をねぎらうような言葉を贈る方が良いと思います。
上記に加えて、同僚ならではのエピソードなどをつけ加えて、楽しく、思い出深い一言にすると、さらに良いですね。
定年退職者には「功績に対するねぎらい」の言葉
定年を迎えて退職される方への締めの一言は、これまで長い間の功績に対するねぎらいの言葉を述べます。
このときの注意点としては、「おつかれさまでした」という言葉を目下の人が目上の人に対して使用する場合、失礼と解釈されることがあるということ。
そのため、「おつかれさまでした」という言葉を極力使用しない方が無難です。
その点を注意しながら定年退職者への挨拶をすると、例文は次のようになります。
ひとくちに□□年と申しましても、いろいろなことがあったと思います。○○さんにご指導いただきましたこと、今もわたくしの糧(かて)になっております。本当にありがとうございました。
○○さんの、これからのますますのご健勝と、ご活躍をお祈りしています。
直属の上司などの場合は、厳しく指導していただいたことや、仕事の上での苦労話など、今となっては笑って話せるようなエピソードを加えることで、オリジナルな一言にすると素敵ですね。
正式な場では「三本締め」、ちょっとくだけた宴会では「一本締め」
「手打ちによって締める」が語源で、もともとは、いろいろな行事の主催者が、その行事が無事に終了したことを参加者に感謝して行なわれるものなのだそうです。
身近な所では宴会などの締めとして、参加者全員で手を合わせて行うことが多いですよね。
まず、「手締め」を大きく分けると「江戸締め」と「大阪締め」があり、一般的に広く行われているのは「江戸締め」の方です。
そして、「江戸締め」には「三本締め」と「一本締め」があります。
三本締め
最も正式な締め。「チャチャチャ、チャチャチャ、チャチャチャ、チャ」のリズムで手をたたくのを3回繰り返すもの。
1「お手を拝借」
2「いよーぉ」 チャチャチャ、チャチャチャ、チャチャチャ、チャ
3「いよー」 チャチャチャ、チャチャチャ、チャチャチャ、チャ
4「もういっちょう」 チャチャチャ、チャチャチャ、チャチャチャ、チャ
5「ありがとうございました」
※ 掛け声の「いよーぉ」は「祝おう」が変化したもの。
一本締め
「三本締め」を簡略化した締め。「チャチャチャ、チャチャチャ、チャチャチャ、チャ」のリズムで手をたたくのを1回のみ行うもの。
関東においては、一回だけ拍手を「チャッ」と行うものを「一本締め」と呼ぶことがありますが、それを正しくは「一丁締め」といいます。
「一丁締め」はあくまでも「一本締め」の略式ですので、フォーマルな場面では使わない方が良いでしょう。
1「お手を拝借」
2「いよーぉ」 チャチャチャ、チャチャチャ、チャチャチャ、チャ
3「ありがとうございました」
「手締め」で手をたたくリズムが「チャチャチャ、チャチャチャ、チャチャチャ、チャ」というリズムなのにも実は意味があります。
それは、手をたたくリズムを数で表すと「3+3+3」+「1」となりますが、「3+3+3」の答えである「9」を漢字で書いた「九」に「1(=点)」を加えると『丸』=『その場が丸く納まる』になるというものです。
意味を考えながら手をたたくと、また違う感じがしますよね。
「三本締め」と「一本締め」の使い分けは集まりの規模による
「三本締め」は、一本目が行事の主催者に、二本目が来賓に、そして三本目は行事そのものに対するもので、それぞれに対して感謝の気持ちを表すという意味があります。
そのため、「三本締め」と「一本締め」は、身内だけではなく、関係者も含めて参加するような正式な場では「三本締め」を使い、参加者が身内だけで、ちょっとくだけた雰囲気の宴会には「一本締め」を使う、というように使い分けるのが良いと思います。
もし、参加者が身内だけであっても、役職が上の人が多く参加するような場合などで、判断に迷ったときは、少し長くなってしまうかもしれませんが、「三本締め」を選択しておけば、間違いないでしょう。
なお、この「手締め」ですが、本来の目的が行事の主催者が協力者や参加者に感謝することであるため、来賓に依頼することは、本来の目的を考えると筋違いです。
もし、あなたが来賓で「手締め」を依頼された場合には筋を通して断った方が良さそうですね。
まとめ:大切なのは「あなたの気持ちを込める」こと
いかがでしたでしょうか?
今回は「送別会の締めの一言」と「手締め」について見てきました。
送る相手によって少々話す内容も変わってくることかもしれませんが、大切なのはあなたの気持ちを込めた、あなたならではの一言を話すことだと思います。
緊張しすぎて、挨拶がありきたりな一言になってしまいがちですが、送られる側にとっても、送る側にとっても、心に残る素敵な一言を見つけたいものですね。
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