どうもこんにちは。「熱中症になるぐらいなら、たとえ電気代が今の倍になっても冷房を入れる!」と、会社で力説してるボクです。
ボクは暑いのも寒いのも苦手。若い頃に熱中症になった経験があるせいか、冷房にはかなり気を使ってます。
先日、会社の同僚女性と日常会話をしてました。
同僚女性
ハチロウ
同僚女性
ハチロウ
同僚女性
その会話の中で、同僚女性からエアコンと電気代で相談されました。
夏場のエアコン。効きが悪いと大変だよね。
それに、そもそもエアコンの効きをよくする方法って、意外とちゃんと知られてないんですよね。
だから、前回書いた『室外機に濡れタオルは非推奨!? 代わりに使える冷房効率アップ技5選!』の出番。
この記事で書いた内容をその同僚に伝えたところ早速実践してくれて、しかも、すごく効果を実感できてるらしい。
こうやって、実践してくれて更には感想を伝えてくれるのってすごくうれしいよね。
で、「じゃあ室外機を便利に・簡単に冷やすには、どうすればいいの?」という話になったんです。
そこで今回は、ボクがおすすめする「簡単・便利・効果があって安全」なツールを5つ紹介します。
ちなみに今回の内容は「前回の内容を実践したうえで使うツール」なんで、その話もおさらい的に解説します。
室外機を冷やすことは効果がある
一般家庭で使われるエアコンは、室内機と室外機があります。
エアコンの冷房効率をアップさせるためには、「エアコンが室内をどうやって冷やすのか」を理解しなければなりません。
室外機と室内機は、配管によって冷媒が循環します。
冷媒は熱しやすく冷めやすい物質。
室内機で室内の空気を冷媒にあてて熱を吸収させます。
また、熱を吸収した冷媒は室外機へはこばれます。
室外機は冷媒にこもった熱を放出し、冷媒を冷やします。
冷やされた冷媒は、再度室内へ戻されます。
このような仕組みで、室内の温度が徐々に下がっていきます。
要するに、「室外機で熱を放出できなければエアコンは効かない」ってわけです。
実際、室外機が動作する温度は、日本工業規格で決まってます。
日本工業規格の「冷房試験」では、T1からT3まで3段階で定義されています。
簡単に内容を紹介すると、以下のような感じ。
- T1:温和な気候帯に対する温度条件:室外機の動作温度35℃
- T2:低温気候帯に対する温度条件:室外機の動作温度27℃
- T3:高温気候帯に対する温度条件:室外機の動作温度46℃
日本国内で販売する場合、「T1」の条件に合致する際はエアコン側に特別な表記がされません。
しかしT2やT3の場合、エアコンへの表示が義務付けられます。
また、複数の気候帯で使用する場合も対応する気候帯を示す必要があります。
ここでいえるのは、エアコンの室外機自体に動作可能な温度が決まっていること。
よく「エアコンは43℃を超えると動作しなくなる」という通説はありますが、2019年現在は正しくないんですよ。
この「JIS B 8615-1:2013」の規格は2013年以降のエアコンに適用されるものです。今だと3段階ですからね。
この規格から言えることは「室外機を動作可能な温度に冷やすのは大切」ってことなんです。
この章のまとめ:
- エアコンは室内機と室外機の間を冷媒を巡回させている
- エアコンはJIS規格で動作を保証する外気温が決まっている
- 外気温が高いときは、室外機を冷やすことで冷房効果がアップする
室外機に濡れタオルはおすすめできない
さて、室外機を冷やす方法として一時期ブームになった「室外機の上にバケツへ水を入れて置き、タオルを付けて室外機の上に広げる」というノウハウがありました。
ネットで見た室外機の水冷化!
確かに室外機はすごい熱もってるね!
果たして効果は? pic.twitter.com/oU6kKyojvx— あまりん (@na6ce7594) July 27, 2018
これはボクを含めた家電通は、ほとんどが否定的な意見です。
もちろん、冷房メーカー側も否定的な立場をとっています。
そもそも誤解されているのが、「室外機は雨が降っても大丈夫だから、水が入っても問題ないだろう」という思い込み。
室外機は確かに外へ置きます。しかし、室外機が対象としているのは雨。
横殴りの雨とはいうものの、基本的には縦方向に降るんですよ。
雨とバケツの水は違う。
まとまった量の水が室外機に入れば壊れるし、入り方が悪かったら壊れる。
バケツは意外と水が入る。およそ20リッターから30リッター前後入るんです。
バケツが風に吹き飛ばされたり。野良猫が倒して、その水が室外機に入ったり。
そんな危険なものがすぐそこにあるってことは、故障するリスクがとても高いってこと。
そもそも、バケツもタオルも、吹き飛ばされたら人やものを傷つけますし。
メーカー側も「この方法は検証していないものの、効果はありそうだ。しかし故障リスクが高くておすすめできない。安全性も低い」としています。
そもそも室外機で使われる冷媒は、とても危険性の高い物質です。
室外機が壊れて冷媒が噴出した場合、大変危険。
人体への影響があるばかりか、自然環境へも影響がある。
室外機が故障しないようにすることは、非常に大切なんですよ。
そもそも正しい対策をすれば、こういうリスクの高い方法を取る必要はないんです。
この「冷房効率をアップさせる技」を、次章で5つ紹介します。
この章のまとめ:
- 室外機の上にバケツとタオルを置いて冷やす方法は故障のリスクが高い
- また突風などの要因でバケツや布がとぶ可能性もあり、危険性が高い
- メーカー側も、室外機に濡れタオルを用いる方法には否定的
冷房効率をアップさせるスゴ技5選!
冷房効率をアップさせる方法は単純。室内機と室外機の関係を理解していれば、理由も明快。
エアコンの効きが悪いと思ったら実践してください。
冷房効率アップ技1:室内を除湿する
やっぱり冷房効果がでない1番の理由は「湿度」。
湿度は空気中に存在できる最大の水蒸気の量を100%として、どの程度の水蒸気が含まれているかを示す値。
エアコンが動作保証をする湿度に関しても、日本工業規格で定められてます。
- 外気温35℃:屋外湿度40%
- 冷房室内27℃で、湿度47%
湿度は47%以下に除湿することが大切。
人間が快適に過ごせる湿度は「40%~60%」とされており、この対策をやっても不快になることはありません。
こういった規格類は、やっぱりボク達の生活を豊かにするためにあるんですね。
冷房効率アップ技2・3:室外機の前によしずをかけスペースを確保。室外機へはミスト散布、打ち水もする
室外機が直射日光にさらされている場合、その前に「よしず」や「すだれ」をかけるのも効果的。
ただし、設置する場合は風で飛ばされないよう固定しよう。
また、室外機の前方は基本的には開放したり、一定の距離をあける必要があります。
室外機の前後左右にどの程度の空間が必要かは、各メーカーや、その室外機のシリーズによります。
この前書いた以下の記事では、各メーカーごとに情報をまとめてるので確認してね。
なにより室外機を冷やすことは冷房効率アップに役立つ。でも、室外機に水をドバドバとかけるのはNG。
しかし、室外機の吸入口やアルミフィンにミスト散布できます。
要は霧状に水を噴霧する分には問題ありません。非常に弱い雨や、霧雨、霧のような状態を人工的に作りだせます。
また室外機の前に空間があれば、打ち水をすることでも外気温が下がります。
冷房効率アップ技4:室内機や室外機を適期的に清掃する
フルシーズンで使うエアコンの清掃1年に2回が基本。
対して冷房やクーラーは、夏のみ使うので1年に1回で済む。
要するに、「冷房運転をするタイミング」と、「暖房運転をするタイミング」で掃除が必要ってことです。
エアコンの風が臭いとか最悪ですし、それに加えて「冷房効果も下がる」んで、2重の意味でも最悪。
エアコンの清掃
エアコンの清掃はフィルターの洗浄は簡単だし、手間もかからない。
フィルター掃除は使い始めの1回ガッチリやったあと、1ヶ月に1回おきに軽く拭き掃除する。
内部の清掃は、エアコンに内部洗浄モードがあるならそれを1ヶ月に1回程度動かす。
しかし、このようなお掃除機能があっても、結局は手で掃除したほどの効果は得られない。
そのため1年~2年程度で業者に依頼することになる。
エアコンの内部クリーニングは、業者にまかせて、1年おきに依頼するのが一番故障リスクが少ない。
しかし意外と高いので、エアコンを買い替えて3年目までは、業者へ依頼。
それ以降は自分でやるってのがお財布にも、エアコンへも優しいでしょう。
室外機の清掃
室外機の清掃も1毎におこなう。
こちらも業者に依頼する方が故障リスクは少ない。
室外機は分解しやすい構造になっていないことも多く、やはりなれてない人は業者依頼がおすすめ。
室外機はメンテナスとしての清掃も重要。
特に吸気口のそばに雑草などが生えていると、内部に入り込んで故障することがある。
また雑草が生えていると虫が繁殖して中に入るなどの被害も起こりかねない。
そのため、室内機の周囲は1・2ヶ月程度の頻度で軽く見回ろう。
冷房効率アップ技5:エアコンは電源をこまめにON・OFFせず、日中は常時ONの状態で使用する
エアコンは、実はこまめにスイッチをON・OFFするよりも、人が中にいるならずっとONのままの方が電気代が抑えられます。
それはエアコンが冷房の効き始めに最も多くの電力を必要とするからです。
具体的には猛暑日であれば「日中9:00~18:00」までの時間帯は、30分前後の外出ならつけっぱなしで、それ以上の場合は運転を停止するほうが電気代が減らせます。
また夕方から明け方は18分以上の外出をする場合は電源をOFFに、それより短いのであればつけっぱなしにする方が電気代が減らせます。
この章のまとめ:
- 室内は除湿して47%前後にする。冷房の効きが悪いときは真っさきに疑おう。
- 室外機は突風などで飛ばないようカバーをかけ、エアコンの取説通りに前後左右の空間を確保
- 室外機は吸入口や熱交換器にミスト散布。打ち水も効果的。
- 室内機・室外機は1年に一度は掃除を。室内機のフィルターは1ヶ月に一度は掃除する
- 夏場は日中なら30分、夜や早朝なら18分を目安に電源をつけっぱなしに
室外機を冷やす!安全で簡単・便利なツール5選!
室外機を冷やすと「なぜ冷房効率がよくなるのか」、「なぜ電気代が節約できるのか」について、この記事を読んできた方なら理解できているでしょう。
そして、室外機を冷やす際にも、安全に配慮した方法を実践すべきといえます。
それには、以下の観点があります。
▼室外機を安全に冷やす際に、留意すべき観点
- 室外機に直射日光が当たらないようにする
- 室外機に直接まとまった水をかけない
- 室外機や室内機を正しく清掃する
山善 エアコン室外機用アルミエアコンガード(ひさし付き) 【マグネットタイプ】 電気代削減 WAAG-8360MS
山善 エアコン室外機用アルミエアコンガード(ひさし付き) 【マグネットタイプ】 電気代削減 WAAG-8360MS
【利点】
- 利点1:メーカー自体が効果を明示している
- 利点2:エアコンの効きをよくするだけでなく、電気代も節約できる
- 利点3:強力なマグネットで張り付くため取り付け簡単でありながら安全性も高い。
【欠点】
- 欠点1:他の類似品よりよい製品の分値段が高め
- 欠点2:夏場用の「ひさし」が、冬場では仇となり雪が積もる。夏専用のワンシーズンタイプ
まず、夏場のエアコンで使用するならこちらが最もおすすめできる。
これは家電製品大手で、園芸製品も手掛ける山善がだしている商品。
多くの類似品はあるが、ちゃんと発売元である山善が検証実験をおこなっている。
効果を文字でアピールしている「だけ」の製品は多いが、実験から得たデータを規格に準じて明示しているので、他の「多分効果あると思う!」という考えのみで作られているものよりも、信頼性が高い。
さらに他の商品よりも取り付けが簡単かつ、強力な磁力で張り付くため安全性も高い。
しかし、この商品は夏場のみのワンシーズンタイプで、夏の直射日光を効率的に塞いでくれる「ひさし」に雪が積もるため冬場の室外機カバーとしては使えない。
値段としても他の格安タイプより高い。
アストロ エアコン室外機 日よけパネル 611-44 4層構造パネル
アストロ エアコン室外機 日よけパネル 611-44 4層構造パネル
【利点】
- 利点1:とても安い
- 利点2:取り付けは比較的楽
- 利点3:日本国内で販売されている冷房ならすべてに対応できる
【欠点】
- 欠点1:検証実験の結果のグラフは示されているが、詳細な条件が未記載
- 欠点2:夏場用の1シーズンの使い捨てタイプ。素材も脆い。
続けては山善製が「高いな…」と感じたそこのあなたへ向けたやつ。
同じ室外機カバーだけど、増税後でも1,000円でお釣りが来ちゃう安さ。
一応、データっぽいのも記載されているけど、詳細な検証条件が不明。
ただこのデータ通りであれば、日本国内の冷房の規格はすべて対応できる。
とにかく「安くていいからダメもとで試したい!」って人なら買って損はない。
使用の際は、台風が近づいてきたらかならず取り外すこと!
山善 ガーデンマスター アルミエアコンカバー KAAC-90(GY)
山善 ガーデンマスター アルミエアコンカバー KAAC-90(GY)
【利点】
- 利点1:オールシーズンタイプのエアコンカバー
- 利点2:直射日光・風雨・雪から室外機を守ってくれる
- 利点3:天板をガーデニング用に使用できるため便利
【欠点】
- 欠点1:エアコンカバーとしてどの程度の冷房効果上昇が見込めるのか、電気代節約ができるか不明
- 欠点2:ボックスタイプなので入るかどうかはエアコンの種類に依存する
- 欠点3:沖縄や鹿児島など、台風の通り道にあたる地域にはおすすめできない
こちらは関東以北ならおすすめの、山善の『ガーデンマスター』シリーズから、天板が頑丈で積雪からも守れるタイプのエアコンカバー。
室外機は「内寸:幅83×奥行32.7×高さ71cm」以内で、5~10cm前後余裕が必要。
2段タイプになっている室外機や縦型の室外機などは入らない。
決して安くないので、購入の際はかならず寸法を測りましょう。
ペットボトル専用加圧式スプレーノズル パステルグリーン F6550-m
ペットボトル専用加圧式スプレーノズル パステルグリーン F6550-m
【利点】
- 利点1:ペットボトルに取り付けるだけで噴霧器に
- 利点2:安い・軽い・散布しやすい
【欠点】
- 欠点1:別にこの製品でなくてもよい
- 欠点2:高確率でエアコン洗浄剤が使えない
続いては噴霧用スプレーノズル。
ペットボトルに取り付けて使用するタイプで、室外機にミスト散布するときに重宝する。
利点は安いことにほかならない。そのため、100均の別のやつを買って使ってもいいよ(笑)。
でも、一応このタイプは柄が長くて散布しやすい特徴があるので、値段相応の性能はあるかと。
ただし、この商品というか、「ペットボトルを使ったミスト散布用ノズル」の欠点として、エアコン洗浄剤の使用に向かないこと。
実は、エアコン洗浄剤は強アルカリ性だったりするので、ペットボトルは溶解する危険性があって使用するべきじゃない。
意外とこのことを知らずに、多くの人がエアコン洗浄で使ってるんで気をつけよう。
水を散布する以外の用途でも使いたい場合、次に紹介する有機溶剤対応のスプレーボトルを使う。
フルプラ ダイヤスプレーエクセレント1000ライトブルー 353801
フルプラ ダイヤスプレーエクセレント1000ライトブルー 353801
【利点】
- 利点1:エアコン洗浄剤のほとんどに対応した液体噴霧スプレーボトル
- 利点2:容量も500mLタイプと1000mLタイプがあるため、エアコン洗浄にも向く
【欠点】
- 欠点1:有機溶剤さえも対応するタイプのため若干高め
- 欠点2:どのタイプの噴霧スプレーでも、液漏れの危険がある
エアコンの室外機にミスト散布するだけでなく、エアコン室内機&室外機へ洗浄剤を使用して掃除をおこなう際に重宝する。
エアコンクリーナーを使った洗浄は、基本的に室内機にしか対応できない。
しかし、本品と洗浄剤を購入して噴霧すれば、室内機も室外機もどちらも対応できる。
洗浄剤もエアコンクリーナーを買うよりも安く済む。
欠点としてはその分高いこと。
あと、結局噴霧スプレーは斜めに倒すと液漏れする。
なので、エアコン洗浄剤を散布するときはかならずゴム手袋を着用してマスクをし、換気をした上でおこなおう。
最後に
今回はエアコン室外機を冷やすことをメインに、さまざまな周辺情報とともに効率的に室外機を冷やすことができ、かつ安全な商品を解説しました。
意外とどの商品がよくて、どの商品が悪いのかをしらない事が多いため、その上で、利点と欠点を明確に示したので参考になるのではないかと。
ボクと同じようにエアコンとうまく付き合って、夏場も冬場も快適に過ごしてくれればと思います!
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