最近、めっきりと出不精になってきてしまったアラフォー男子の私です。こんにちは。
ということで、近頃は意識的に休日を使ってどこかに出かけるようにしています。
そんな中、先日ちょっとでも遠出をするために車を使ったのですが、高速道路に乗るということもあり点検にいってきました。
すると、どうやらだいぶタイヤが磨り減っているということが発覚したわけです。
ハチロウ
整備士
ハチロウ
整備士
日々、車を乗っていてもなかなか気付かないし、やらないタイヤのローテーション。
言葉はなんとなく知っていましたが、実際にやったことはありませんでした。
というよりも、タイヤのローテーションをいつ・どんなタイミングでやるのかということすら知りませんでした。
そんな私はその後、車のタイヤローテーションについて整備士さんから話を聞いたり、タイヤ屋さんに聞いたりしながら勉強をしたわけです。
ここでは、普段車に乗っている方でも意外と知らない「タイヤのローテーション」ということについて掘り下げてご紹介していきたいと思います。
ぜひ、いつも車に乗ることの多いという方は参考までにご覧になっていってください。
サクッと流し読み
車のタイヤのローテーション、タイミングはいつおこなうのがベスト?
それでは車のタイヤローテーションについて詳しく見ていきましょう。
まずタイヤのローテーションをおこなうタイミングですが、一般的には走行距離5000キロ~10000キロほどが目安とされています。
もしくは半年~1年の間にタイヤのローテーションをおこなうと、タイヤの性能が落ちずに済むと言われていますので覚えておきましょう。
ちなみにスタッドレスタイヤなどをお持ちの方であれば、冬の間にタイヤを履き替えて、スタッドレスから通常タイヤに変えるときにローテーションをしてもいいかと思います。
そうすれば必ず1年に1回はタイヤをローテーションすることになりますので、ぜひとも試してみてください。
そもそもタイヤの寿命とは?
タイヤのローテーションというのは安全な走行をする上で必要な作業ですが、そもそもタイヤの寿命というのをご存知でしょうか?
いくらタイヤのローテーションをがんばってやっても、実際にタイヤの寿命自体が切れていたら意味がありません。
一般的にではありますが、通常タイヤの寿命は製造から5年といわれています。
また、スタッドレスタイヤに関しては3年程度です。
タイヤというのは当たり前ですが、ゴムで出来ています。
そのため、頻繁に使用していなくても暑さや地面との接触によって少なからずどんどん消耗されていくものなのです。
特に熱によってタイヤはかなりダメージを負ってしまうので、駐車場などに車を停めている時間が長い人というのもタイヤローテーションの頻度を上げた方がいいでしょう。
(フロントもしくはリアタイヤといった片方ばかりが太陽光・直射日光に当たっているとひび割れの原因にもなります)
また、タイヤの寿命を長く保つことによって、結果的に経済的という部分もあります。
もちろんタイヤのローテーションを各種業者に頼むとなると工賃が発生しますので、お金が掛かってしまうのですが、それでもタイヤを長持ちさせた方が割安であることには違いありません。
車のタイヤのローテーション、工賃はいくらくらい?
実際に車のタイヤのローテーションを業者にお願いするとしたらいくらくらい掛かるのか?というのも気になる部分だと思います。
タイヤローテーションはジャッキで車を持ち上げて、タイヤをホイールからはずして、前輪と後輪を履き替えて、また車を下げて…といった感じですから、自分でやるにはちょっと面倒です。
そこで、便利なのがカー用品店やタイヤ屋さんたちとなります。
【タイヤローテーションの相場】
- オートバックス:2,160円~
- イエローハット:3,240円~
- タイヤ館 :2,160円~
- カーディーラー:2,160円~
このようにだいたい2,000円から3,000円程度でおこなってくれるので、1年に1回程度であれば大した出費ではないかと思います。
ちなみに、たとえばタイヤのローテーションを1年に1回おこなって、タイヤが5年ほどもったとしましょう。
この場合、だいたい1回2,000円だとしても1万円程度です。
タイヤのローテーションをしていなくて、3年ほどでタイヤを買い換えるとなると軽自動車でも4本で1万5千円~2万円、普通乗用車であれば2万円から4万円ほどの新品タイヤ代が掛かってしまいます。
(ちなみに上記のタイヤの値段は平均かつ安値のものです。少しグレードが上がればさらにタイヤ代が跳ね上がります。)
このように、1台の車に5年~10年と乗るのであれば、タイヤの交換が1回なのか2~3回なのかによってかなり出費が変わってきます。
参考例)10年同じ車に乗った場合
- タイヤのローテーションがうまくいき、5年目に1回タイヤ交換をして10年目で新車に買い換えればタイヤ代は1回分のみ(プラス9回~10回のタイヤローテーション工賃2万円程度)
- タイヤのローテーションをおこなわず、3年に1回タイヤを交換したら10年で3回分のタイヤ代が掛かる
このように安全な走行のためだけでなく、出費を抑えるためにもタイヤのローテーションが必要ということは分かってもらえたのではないでしょうか。
車のタイヤローテーションのルール
車のタイヤのローテーションをするタイミングや意味が分かったところで、次に知っておきたいルールというものをご紹介していきたいと思います。
そもそもタイヤのローテーションというのは、前輪後輪・左右などを入れ替えることでタイヤの消耗を均一化するための作業です。
消耗が均一化されることによって、前輪や後輪だけがダメになってしまい、片方だけを新品タイヤに交換するといった手間・出費を抑えてくれるという役割を持っています。
しかし、タイヤローテーションというのは車のタイプごとにタイヤを移動させる位置が異なります。
というのも、前輪駆動なのか後輪駆動なのかによって消耗の激しい方のタイヤが変わってくるからです。
さらに「方向性タイヤ」といった回転する方向が予め決まっているタイヤもあるので、それぞれのローテーション方法が違うということは分かりますよね。
ちなみに一般的には前輪駆動(FF車)の車はフロントタイヤの消耗が激しく、後輪駆動(FR車)・4WDは後輪の消耗が激しいとされています。
特にFF車に関してはフロントタイヤへの負荷が大きく、駆動&コーナリングといった際の荷重が掛かりタイヤの溝もかなり磨耗されることになるためリアタイヤより短命です。
こうした車ごとのタイヤ消耗率の違いから、ローテーションをする際にはルールがありますので、ご紹介します。
AB DC
CD→AB
前輪はそのまま後輪に移動し、後輪は左右を入れ替えてローテーションします。
AB CD
CD→BA
後輪をそのまま前輪に移動し、前輪は左右を入れ替えてローテーションします。
AB CD
CD→AB
こちらは前輪後輪をそのまま入れ替えてローテーションすればOKです。
このように、タイヤをローテーションする場合は車の駆動タイプによってルールが存在します。
これは、タイヤのどの部分に負担が掛かっていて、消耗率が高いのかということを計算した上で考えられていますので、必ずこのようにローテーションをするようにしましょう。
なお、方向性タイヤというのは一定の方向に回転することで走行性能を高めるというタイヤです。
そのため、前輪後輪を入れ替えるときも同じ位置に取り付けるようにしましょう。
なぜ車のタイヤローテーションは左右を入れ替えるのか?
タイヤのローテーションのルールをご紹介しましたが、それぞれFF車やFR車のタイヤを交換する際には左右のタイヤを入れ替えるという部分がありましたよね?
「いったいなんでそんなことをするの?」「そのまま前輪と後輪を入れ替えた方が分かりやすくない?」といった疑問もあるかと思いますが、これにはキャンパー角による消耗の違いというものが関係しています。
そもそも車のタイヤというのは一見すると真っ直ぐ地面に接地しているように見えますが、実は車種によって内側や外側に傾いているのです。
そして、この傾きをキャンパー角といいます。
ちなみに正面から見た時にタイヤが八の字に傾いているものを「ネガティブ(マイナス)キャンバー」、逆のものを「ポジティブ(プラス)キャンバー」というのですが、たとえばネガティブキャンパーであれば必然的にタイヤの内側部分が消耗されていくわけです。
FF車でネガティブキャンパーの車の場合は、フロントタイヤ内側の消耗というものが激しいのですが、後輪からそのまま左右を入れ替えずに前輪に移動すると、すでに内側を多少消耗したリアタイヤをまたフロントで使うことになってしまうので劣化スピードが早くなってしまいます。
そのため、リアタイヤでは内側だったところを外側に持っていくことで消耗を均一化させるという効果が生まれるわけです。
こうしたことを考慮してローテーションをするというのが、車のタイヤにとって非常に良いとされていますので、ぜひ参考までに覚えておいてください。
タイミングを計算して自分でタイヤローテーションをする方法
タイヤのローテーションはタイミングを計算して自分でおこなっても構いません。
車の1年点検や車検のときに整備してもらってもいいのですが、よく車を使う人であれば半年や3ヶ月くらいでローテーションをすることでタイヤが長持ちするようになります。
そこで、工賃を安く済ませるために自分でタイヤのローテーションをおこなってみるというのもひとつの手です。
【タイヤのローテーションに必要なもの】
- ジャッキ
- レンチ
- トルクレンチ
- 輪止め
- 作業用の手袋
最低限必要なものとしては上記のアイテムがあれば充分です。
ただ、ジャッキが複数あるといっぺんにタイヤ交換ができるので便利という方もいます。
たいてい車にはひとつジャッキが搭載されていますが、さらに欲しいのであればネット通販やカー用品店で購入しましょう。
また、輪止めは万が一のために必要なものなので、絶対に必要ということは特にありません。
平地で作業をする分にはなくてもいいと言えるでしょう。
タイヤのローテーション手順
- 取り外す箇所のタイヤに近いジャッキアップポイントにジャッキを当てて車体を上げる
- 車体が上がりきる前にタイヤのナットをゆるめる
- 車体が上がりきったらタイヤのナットを完全に外してタイヤを取る
- 取ったタイヤ箇所にスペアタイヤを履かせて車体をおろす。
- 入れ替えるタイヤ部分のジャッキアップポイントにジャッキを当てて車体を上げる
- 取り外したタイヤと入れ替える
- あとは同様の工程をすべてのタイヤでおこなえば完了
基本的な手順は以上のようなイメージですが、それぞれの手順で気をつけなければいけない注意点もご紹介していきます。
タイヤのローテーションをする際の注意点
- ジャッキを上げるときには必ずジャッキアップポイントという場所にジャッキを当てること。でないと車体の骨組みに影響を与えて壊してしまいます。
- 車体が上がりきる前にナットをある程度ゆるめておかないと、ナットが空回りして外しにくくなってしまいますので要注意。
- ナットを外したあとにタイヤを外す際にはタイヤの重さに注意しましょう。軽くても十数キロはあります。
- スペアタイヤはあとでまたすぐに外しますので、軽く固定する程度で大丈夫です。
- ①と同様にジャッキアップポイントに当ててからジャッキアップします。
- タイヤを入れ替える際に注意するべき点はナットの締め方です。ナットは必ず対角線上に締めていくようにしましょう。こうすることでホイールが自然と真ん中にくるようになります。またナットを締める強さも重要です(※後述あり)
注意点は以上となりますが、タイヤをはめるときのナットについて補足説明をしておきましょう。
ナットは最初に手で回し、最終的にはレンチで外れないようにきつく締めるのですが、きつすぎてもナットが折れてしまいます。
そこで、力の加減が分かるトルクレンチが必要となるわけです。
トルクレンチは締め付ける力を設定することができる工具なのですが、これを以下の数値に合わせてください。
- 普通車:10~12kgf・m(100~120N・m)
- 軽自動車:8~10kgf・m(80~100N・m)
数値設定したトルクレンチでナットを締めると、どこかのタイミングで音がします。
音がなったらナットは正常にはまったということなので問題ありません。
なお、ナットがゆるすぎると走行中にタイヤとホイールが外れてしまうといった危険性がありますので、必ず自分でタイヤのローテーションをするのであればトルクレンチを用意することをおすすめします。
総括
車のタイヤをローテーションさせるタイミングや意味、また自分でおこなう方法などについてご紹介してきました。
車好きの方であればあまり苦もなく作業ができるかと思いますが、やっぱり自分でやるのは不安という方は1年点検や車検の時期にプロに任せるというのもひとつの手です。
タイヤのローテーションは法的に定められているものではありませんが、タイヤを長持ちさせるためには有効な手段とされています。
長期的に見て車の維持費を安く済ませたいのであれば、ご覧いただいたように半年~1年程度に1回タイヤのローテーションをすることをおすすめしたいところですね。
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