どうもこんにちは。一年中冷房か暖房をつけているボクです。
ボクは暑いのも寒いのも苦手…コレ言うの何回目だろう(笑)。
冷房(クーラー・エアコン)ってすごく便利。
でも、同時に気になるのが「クーラー病」の存在じゃないでしょうか。
先日会社でこんなことがありました。
ハチロウ
同期君
ハチロウ
同期君
ハチロウ
同期君
ハチロウ
同期君
ボクと同期の男性、あだ名は同期君(安直…笑)とでもしとこう。
同期君もボクと同じで、暑さにも寒さにも弱いタイプ。
だからこそ「もしかしてクーラー病では?」ってピンときたわけ。
実際、同期君も病院を受診して、診察された病名はクーラー病でした。
このように、実はクーラー病って男でもかかるんです。
「エアコンで喉が痛い」という経験は誰しもあるのではないでしょうか?
それが「単に喉の粘膜が乾燥しただけなのか」、それとも「クーラー病のせいなのか」は、素人考えでは判別できません。
そもそも、男性も女性も年齢が上がるにつれて「冷房弱者」になる。…「冷房弱者」って響きが悪いけど、一応そういう用語なんでそのまま使うね(笑)。
この冷房弱者っていうのは、ボク達アラフォー男性なら実に「44%」が該当する。
逆に20代男性だと27%。女性はどの世代でも55%~75%と高い。
そして、日本人の平均はなんと過半数超えの54.9%もの人が冷房弱者に該当するらしいんです。
(出典:「夏場のエアコン利用と健康管理」に対する意識の調査 – DAIKIN)
その事実を知れば、「クーラー病って侮れない」と思うんじゃないでしょうか。
そこで今回は、
- そもそもクーラー病ってなに?
- クーラー病ってどんな症状があるの?
- クーラー病の原因は?
- クーラー病ってなりやすい体質や年齢などがあるの?
- クーラー病って健康保険が使えないって本当?
- クーラー病の対策や、実際にかかったらどうするの?
について解説します!
免責事項:
ボクは医者じゃないです。
でも参考になったら嬉しいし、役立つ情報だと思うのでこの記事を書いています。
結局、自身の体調は自分で判断してもらう必要があります。
もちろん、嘘偽りを書かないよう、出典を示しながら慎重に記事を書いています。
それでも効果効能・有効性を保証することはできないです。
この点、免責事項として明記しますね。
サクッと流し読み
そもそもクーラー病(冷房病)ってなに?
そもそも、クーラー病ってなんでしょうか。
クーラー病とは冷房病ともいい、夏場に発症することがある病気です。
主に夏場のエアコンなどによる寒暖差により、自立神経に不調をきたしたり、体温が冷え過ぎたりすることで体調を崩す症状です。
夏の病気といえばクーラー病の他にも熱中症もあります。
熱中症は命に関わりかねない病気として有名です。
熱中症の対策として「猛暑日には外出を控える」というものがあります。
かといって冷房をガンガンに効かせたり、冷たい食べ物や飲み物を摂りすぎるのは、クーラー病の兼ね合いでおすすめできません。
このように、クーラー病と熱中症は対になる関係があるといえます。
ではそもそも、熱中症とはなんでしょうか。
クーラー病を知って対策を学ぶ上で、熱中症への理解も大切です。
クーラー病(冷房病)と切っても切り離せない、熱中症とはなにか
熱中症とは、主に夏場に発症する事が多い症状です。猛暑環境下で、人間の適応能力を超えた高温環境下に長時間さらされることで発症します。高温障害とも言います。
脱水症状による体温の著しい上昇と、それに伴う血流の低下や多臓器不全が原因とされています。
熱中症は日本国内でみても、年間で数百人・数千人単位で死亡者がでる恐ろしい存在です。
実際、平成29年には、全国で635人もの方々が熱中症により命を落としています。その内訳は以下のようになっています。
年代別熱中症による日本国内死亡者数(平成29年)
- 10代未満:11人
- 10代:2人
- 20代:4人
- 30代:7人
- 40代:25人
- 50代:56人
- 60代:98人
- 70代:139人
- 80代:212人
- 90代:80人
- 100歳以上:6人
- 合計:635人
ただし、平成30年は6月から9月の時点での熱中症による死亡者数が報告されています。
例年の死亡者数の中央値は「586人」ですが、去年はなんと3倍近い1518人が死亡しています。
熱中症はその年々で死亡者数の増減が激しい特徴があります。
平成19年以降の統計では、
- 平成22年に年間1731人死亡、
- 平成25年は年間1077人死亡、
- 平成30年は上掲通り9月時点で1518人死亡
熱中症の死亡者数を月別でみると、「6月から9月で年死亡件数およそ96%」を占めます。
6月から9月を100%とした際の内訳は6月で5%、7月で38%、8月で50%、9月で7%程度となっています。
※ 本章の記述は以下の内容を出典とし、ボクが本記事の解説用に集計・統計しています。
- 熱中症による死亡者数(人口動態統計)– 厚生労働省 平成30年9月7日公表
- 熱中症による死亡者数(人口動態統計)- 平成30年9月分 – 厚生労働省 平成31年2月5日公表
クーラー病(冷房病)は熱中症の影に隠れている存在?
夏の病気として有名な「熱中症」。
年間数百人、数千人単位で死亡しているのだから、みんな気になるのは当たり前。
でも、熱中症の死亡者数は統計が取られているのに対し、冷房病による死亡者数は具体的な政府・医療機関からの報告がありません(見つかりません)。
こうなると、
「クーラー病では、人は死亡しないのでは?」なんてことを考えてしまいそうですが、そうではないようです。
2018年8月3日に放送されたTBS系列の情報特番『ビビット』(2015年3月27日 – 2019年9月27日、AM8:00 – AM9:55、月 – 金)に出演した「池袋大谷クリニック」の大谷義夫院長は、同番組内にて「冷房病は突然死のリスクを伴う」と指摘しています。
夏場の病気として熱中症の影に隠れてしまいがちなクーラー病。
ですが、やはり大谷能生院長の指摘通り「死亡リスクのある病気」として侮ってはならないことが分かるでしょう。
- クーラー病とは冷房病ともいい、自立神経に不調をきたしたり、体温が冷え過ぎたりすることで体調を崩す症状
- 夏場の病気として熱中症とクーラー病がある。熱中症は年間で数百人・数千人単位も死亡している
- クーラー病は突然死のリスクがあり、熱中症の影に隠れてしまいがちだが侮れない病気である
クーラー病(冷房病)ってどんな症状があるの? だるさ以外にも症状はあるの?
それではクーラー病にはどのような症状をきたすのでしょうか。
クーラー病はさまざまな症状をきたすことが知られています。
これらの症状は、風邪や冷え症に低体温症などの病気と似た症状をきたすことが多くあります。
そのため「これらの症状に該当する場合は、安易にクーラー病だと決めつけず、病院を受診すること」をおすすめします。
クーラー病(冷房病)は風邪に似た症状をきたすことがある
冷房病は多く風邪と似た症状を伴うことが知られています。
この「風邪」とは、さまざまな病気・症状を表す言葉です。
風邪及びその症状と言われることのある病気・炎症例(一部)
- 咽頭炎、急性咽頭炎
- 喉頭炎、急性喉頭炎
- 咽頭喉頭炎、急性咽頭喉頭炎
- 咽頭結膜炎
- 手足口病
- 上気道炎、急性上気道炎
- 急性副鼻腔炎
- 感染性結膜炎
- etc…
冷房病と風邪で共通して現れうる手足の症状
- 手のしびれ・冷感
- 足のしびれ・冷感
- 末梢部のしびれ・冷感
- etc…
- 目の充血
- 目の痛み
- 目の乾燥(かゆみ)
- etc…
- 鼻水・鼻詰まり
- 咳・くしゃみ
- 喉の痛み
- 口の乾き
- 喉の乾き
- etc…
- 頭痛
- 腹痛
- 発熱
- 倦怠感・だるさ
- めまい感
- 吐き気
- 冷感・悪寒
- etc…
クーラー病(冷房病)は冷え症(冷え性)・低体温症に似た症状をきたすことがある
クーラー病は「冷え症」(冷え性)と似た症状を伴うことも知られています。
冷え症とは、一般的には寒いとされる気温ではないにもかかわらず、手足の冷えを感じる症状です。靴下を着用していても足元に冷えを感じたり、温かい毛布などを着ていても寒さを感じたりします。
冷え症と低体温症は、基本的に別の存在です。しかし、クーラー病の一部において「低体温症」を同時に患うことがあり、どちらへも注意が必要です。
この両者は、以下に示すような症状を自覚することがあります。
冷房病と冷え症や低体温症で共通して現れうる症状
- 手足の冷え
- 手先・足先・つまさきの冷え
- 手足の痛み
- 手足のしびれ
- 手足の震え
- 手足関節の痛み
- 手足筋肉の拘縮
- 肩こり
- 筋肉の痛み
- 疲労感
- 食欲不振
- めまい感・ふらつき
- 微熱感
- だるさ
- 易疲労感
- 神経痛
- 下痢・腹痛
- 消化不良
- 血流不全
- 感覚の鈍化
- etc…
したがって安易にクーラー病と判断せず、可能なら病院の受診を検討しましょう。
- クーラー病は風邪や冷え症・低体温症に似た症状をきたす。そのため病院でしか判別できない。
- クーラー病と風邪で共通して現れうる症状例:咳・くしゃみ、喉の痛み・鼻水、充血・目の痛み、喉・目の乾きなど
- クーラー病と冷え症・低体温症で共通し現れうる症状例:手足の冷え・しびれ・痛み、肩こり・筋拘縮、だるさ・めまい感など
クーラー病(冷房病)でだるい。そもそも原因は?
睡眠が体温リズムに与える影響 – 睡眠と体温|体温と生活リズム|テルモ体温研究所
ボク達のような「人」は恒温動物と言われており、体温はある程度一定に保たれています。
人の平均体温は平常時に脇で体温を計測した場合、約36.78℃とされています。
特に恒温動物では体の内部へ行くほど体温が高く、これを深部体温といいます。
人の深部体温は約37℃前後とされています。1日における深部体温の変動は就寝時約36.0~36.5℃付近、日中の覚醒時で平均約37.0~37.5℃付近まで上昇します。
(出典:睡眠と体温|体温と生活リズム|テルモ体温研究所)
人の体温は一日の間でも、およそ1℃から1.5℃程度しか変動しないことがわかるでしょう。
人は体温維持に体内のエネルギーの約75%を代謝により費やしているとされます。このように体温を一定に保つことによって、健康を維持し、体調を維持します。
このとき、深部体温が35℃を下回ると「低体温症」の症状が現れ始めます。手足の震えなど、軽度な症状が現れます。
これが更に2℃下がって33℃から30℃の範囲になると一旦手足の震えは収まります。代わりに心拍数が徐々に低下し、物事に対して関心が薄くなります。そこから更に5℃下がり25℃から30℃の範囲に入ると、錯乱や幻覚症状をきたします。心拍数は大幅に低下します。そこから5℃下がって20℃から25℃の範囲に入ると、昏睡状態や仮死状態に陥ります。筋肉は硬直します。そしてついに深部体温が20℃を下回ると、高い確率で死亡します。
ここから、人間は体温にとても敏感な生物であることがわかるでしょう。
(出典:低体温症 – Wikipedia)
このように、クーラー病の主な発症要因は、「体温調整能力がさまざまな原因によって衰えること」にあるようです。
クーラー病の発症要因
- 加齢に伴い体温調整能力が低下する
- 極度な寒暖差の繰り返しにより体調を崩す
- クーラーの冷風が体温を奪うことによって、深部体温が下がる
- 過度なダイエットなどによる自立神経の乱れ
- 睡眠不足や脱水状態、飲酒状態などの体調不良状態
- ストレスなどによる「甲状腺機能・免疫機能・自立神経・基礎代謝」等の機能低下
- etc…
特に寒暖差は概ね5℃以上の温度変化を繰り返すと、自立神経のバランスが乱れ、冷房病のリスクが高まるとされます。
また、この寒暖差が10℃以上あると死亡リスクが高まるとの指摘もあります。
(出典:池袋大谷クリニック大谷義夫院長 – 情報特番ビビット出演時)
また加齢や性別はクーラー病と密接に関わってくるため、次節にてより掘り下げて解説します。
クーラー病(冷房病)ってなりやすい体質や年齢などがあるの?
クーラー病は冷え症と密接な関係があるといわれています。
この冷え症は「女性の病気」と思われていますが、実際には加齢と供に男女ともに増加していく傾向があります。
平成28年国民生活基礎調査において、「手足の冷えを感じる」と回答した人の年代別・性別別の内訳は以下のグラフおよび表に示す通りです。
平成28年 「手足の冷え」の有訴者人数
年代 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
10歳未満 | 約500人 | 約1,000人 |
10代 | 約5,300人 | 約3万4,900人 |
20代 | 約2万1,200人 | 約10万9,400 |
30代 | 約2万1,800人 | 約16万7,400人 |
40代 | 約4万8,000人 | 約21万1,300人 |
50代 | 約7万1,900人 | 約18万1,400人 |
60代 | 約17万800人 | 約33万3,400人 |
70代 | 約26万9,500人 | 約49万6,300人 |
80代 | 約21万1,900人 | 約47万5,800人 |
90代 | 約1万8,400人 | 約9万2,300人 |
100歳以上 | 約500人 | 約4,900人 |
※ このグラフおよび表の人数は『平成28年国民生活基礎調査』(厚生労働省)をもとに、総務省統計局『人口推計(平成28年10月1日現在)』を用いて概算したものです。
※ 値は100人単位で四捨五入
このグラフをみると、ボク達アラフォー世代の男性でも全国に4万人以上が手足の冷えを感じている事がわかります。グラフをみればわかるように、アラフォーを境に男性も加齢と供に症状を自覚する割合が増加しています。
このような手足の冷えは、冷え症の基本的な症状です。
特にクーラー病は冷え症の要因になることがあります。
ハチログ読者の方は、大部分が当てはまると思われるので、注意したいものですね(苦笑)。
クーラー病(冷房病)を起こしやすい人の特徴
- 性別:主に女性が多いものの、男性にもみられる
- 女性の年齢:女性は20代以上
- 男性の年齢:男性は40代以上
クーラー病(冷房病)でだるい。でも健康保険が使えないって本当? クーラー病で病院で診察したり薬をもらうことはできるの?
一部の人たちはクーラー病は「治療不要」だとか、「あまり効果的な治療方法はない」ため治療に意味がないと言っています。また、「クーラー病は病院を受診しても意味がない」とも言っています。あまつさえ「クーラー病では保険が効かない」という意見もあるようです。
しかし、これらは大嘘です。
以下3点解説します。
- クーラー病と健康保険
- クーラー病の診察は難しい
- クーラー病は漢方薬などの処方を受けられる
クーラー病(冷房病)と健康保険
まず、クーラー病は確かに健康保険法上では定義されていない病名です。いわゆる通称であり、健康保険を用いる場合の病名としては適切ではありません。非標準病名などともいわれます。
しかし、これはあくまで制度上の話であって、それがイコール病院の受診のときに健康保険が使えないということではありません。
実際の健康保険での診療報酬請求では、「上気道炎」などの病名や、病名の中でも症状を示す病名が用いられます。これは「咳」や「鼻水」に「悪寒」、「悪寒発熱」なども定義されています。したがってクーラー病であっても病院を受診し、適切な診察を受けることで健康保険が適用されます。
実際、健康保険医が「クーラー病」の病名で診療費請求を行ったところ、健康保険の審査機関から「上気道炎の病名で請求するように」と返戻されたとの話があります。
(参考:院長与太話 – 第94話「クーラー病」/矢野耳鼻咽喉科院長 医学博士 矢野 潮)
これは言い換えれば、基本的にはクーラー病という名称は使えないものの、適切にそのほかの病名を用いることで診療報酬請求なされることで健康保険が適用できるということです。
クーラー病(冷房病)か否か、そのほかの病気か否かの判定は難しい
クーラー病は上述の通り、さまざまな風邪症状や冷え症や低体温症と似た症状を伴います。
そのため素人考えで「自分は冷房病だ」と判断することは、とても危険であるといえます。
ボクの同期君も、病院を受診して「クーラー病」と診断されたわけです。
このクーラー病は医者でさえ診察に加えて、さまざまな検査をおこないその結果から判断します。
それは血液検査だったり検体検査だったりします。
医者は多くの場合、誤った診断を下すことをよしとしません。
もしも実は別の感染症なのに、クーラー病と誤診した場合、重大な被害や重篤な結果をもたらしかねません。
たとえば手足口病は子供がかかる夏風邪として有名ですが、これは大人でも発症します。こちらは水疱などを伴うため誤診は少ないと思われますが、万が一これを誤診した場合大変です。これはエンテロウイルスによる感染症ですので、職場などで広まることとなります。
このように、体調不良の原因がクーラー病なのか、風邪なのか、はたまた冷え症や低体温症なのかは、私たち一般人ではわかりません。
されどクーラー病は細菌性の感染症ではないため「注意深く観察」したり、検査などをすることで見極められます。
これができるのは、医者がその道の専門家である所以といえるでしょう。
クーラー病(冷房病)の薬としては漢方薬などの処方が受けられる
クーラー病は薬による治療の効果が薄いと一部で言われています。そしてそもそも細菌性やウィルス性の感染症ではありません。
そのため、ボク達素人の考えでは、ついつい「冷房病には薬が効かないんじゃないか」と考えてしまいがちです。
しかしクーラー病には漢方薬といった選択も有効であると知られています。
漢方薬はさまざまな症状に対して広く効果が認められており、複合的な症状をきたすさまざまな病気で活用されています。
事実、多くの漢方薬に医療保険が適用できます。
一例として「証クリニック」(吉祥寺・神田)では東洋医学的な漢方と西洋医学的な診察と検査を組み合わせた診療・投薬を行っており、冷房病や冷え症などに対しても、漢方薬を処方しています。
(参考:冷房病には漢方を | 証クリニック 東京吉祥寺・東京千代田区神田)
そのほかの病院においても、診察時に医師へ漢方薬の処方を相談してみるとよいでしょう。
クーラー病(冷房病)のだるさを避けたい。その対策は? 正しい対策3選
ではクーラー病を避けるにはどのような対策があるでしょうか。
それには主に3つあります。
クーラー病の正しい3つの対策
- エアコンの温度は27℃から28℃に設定
- エアコンは屋外気温より5℃低い程度に設定
- 無糖のホットドリンク、腹巻きや薄手のアウターを用いる
クーラー病(冷房病)の正しい対策1:エアコンの温度は27℃から28℃がおすすめ。体質によっては25℃も可能
クーラー病の対策には、室内の温度設定を「27℃」ないし「28℃」に設定することがよいとされています。
地球温暖化対策の一環として、社内の冷房の設定温度を「28℃」に設定している会社は多いでしょう。
ちなみに「福祉住環境コーディネーター試験2級」では、熱中症予防の室内温度として28℃以下に設定することと定義されています。
したがって、27℃や28℃であれば、クーラー病とともに熱中症も対策できます。
また、28℃は人によって暑いと感じることもあるでしょう。
各種病院や医療法人などが発行する会報やウェブサイト、各種保険請求審査期間などが発行する情報などでクーラー病の対策を探すと、「25℃~28℃」とする見解もあるようです。
一人暮らしの方であれば、自身が快適に感じる温度を設定することが大切です。
とはいえ家族と一緒に暮らしていたり、会社などでエアコンの温度を設定する場合はやはり27℃や28℃がよいでしょう。
クーラー病(冷房病)の正しい対策2:エアコンは屋外気温より5℃低い程度に。その範囲を超える猛暑日などは工夫が必要
さて、25℃から27℃や28℃は、あくまでも簡単な目安といえます。
より厳密に温度を設定する場合、外気温より5℃程度低く設定することが好ましいといえます。
これはクーラー病の発症メカニズムとして「5℃以上の寒暖差を繰り返すことで、自立神経のバランスが乱れること」に起因します。
(ただし、文献によっては7℃とすることもあるようです)
しかし、実際は真夏日(30℃)であれば25℃~28℃という範囲で冷房の温度を調整できます。
されど猛暑日(35℃以上)になると、この範囲では対処できません。
クーラーの設定温度を30℃にしてしまうと、もはや熱中症のリスクを伴ってしまうからです。
したがって、以下のような運用を心がけます。
- 設定温度は27℃・28℃より下げない、それより上げない
- 室内はドライ運転を活用し、湿度50%程度を維持する
- 冷風が直接体にかからないようにする
- 風向きは上向きにする(天井へ向けられる機種の場合)
- もしくは扇風機を上向きに設置し、空気の対流をうながす
したがって、室温は27℃・28℃をかならず守ります。
また、「暑い」と感じる多くの原因は湿度が高いことに起因します。これはいわゆるドライ運転で対応できます。
室内の湿度は、「概ね50%程度」になるようコントロールしましょう。
そして、冷風が体に直接当たらないよう、風向きは上向きにします。これは冷たい空気は下へ流れ、暖かい空気は上に流れようとする性質を使用するためです。
これにより室内に対流(空気の流れ)が生まれるため、冷感を得やすくなります。
もしも上方(天井)向きに冷風を送れない機種の場合、扇風機を天井へ向けて設置しましょう。
このとき、冷房や扇風機の風量は「中」や「強」がおすすめです。
風量の「弱」や「微弱」などでは、空気の対流を起こす力が弱いためです。
うまく室内に風を起こして、室温ではなく体感温度を下げましょう。
クーラー病(冷房病)の正しい対策3:無糖のホットドリンク、腹巻きや薄手のアウターを用いる
上記2つの対策はクーラーの設定に関するものでした。
この他のクーラー病の対策でボク達自身ができることは色々あります。
たとえば摂取するドリンクも「無糖のホットドリンク」がよいとされています。無糖である理由は、糖分の分解に体内のビタミンBが多く消費されるからとされます。
この条件に合う飲み物は、紅茶やお茶、コーヒーなどがあります。特に冷房病の対策は生姜紅茶がよいとされています。
温かい紅茶の中にすりおろした生姜を加えて呑むことで、血管を健康に保ったり、胃腸の調子を整えるなど、冷房病に効果的とされています。
(出典:体調不良の原因は冷房病かもしれません! – ひかりクリニック)
「夏の暑い日にホットドリンクを飲むのは辛い」という人は、チューブ入りの生姜を持参し、ラーメンやお味噌汁に加えたり、おかずの調味料として使うとよいでしょう。
ただし、チューブ入りの生姜には加塩されていることが多いため、その点注意が必要です。
ボク達アラフォー・アラフィフだと、男性女性問わず、高確率で高血圧を患ってますからね(苦笑)。
また、クールビズではスーツの上をもたずに出社することもあるかもしれませんが、できるだけ持参して、「寒い」と感じたときなどに上から羽織れるようにしましょう。
女性はカーディガンなどで直風対策をしたり、長めの靴下(ハイソックス等)を使用するとよいでしょう。
最後に
今回の内容、どうだったでしょうか。
ちょっと投稿時期がずれてしまった感は否めません。
しかし、今回の内容は大変重要なことだと思うので、記事にしました。
そもそも熱中症で毎年500人前後、多いときで1,000人から1,500人もの方々がなくなっているというのは、知らない人は多いでしょう。
そのせいで、クーラー病の存在は軽視されてきたように思います。
そもそもボクがまとめた「世代別の熱中症死亡者」のグラフと、「性別・世代別手足の冷えの有訴者数」のグラフ。この2つは非常に類似点の多いグラフになっていたことがわかるでしょう。
この点から「熱中症になる人はひとえに冷房弱者であり、クーラー病になりやすい」ということを示しているとボクは考えています。
ボクは暑いのも寒いのも苦手。
だからこそ効率的な冷房の運用の仕方とともに、熱中症はもちろん、このクーラー病まで配慮してきました。
こういったボクの考えやノウハウが、みなさんのもとに届けばと思います。
よりよい生活の一助に、この記事がなれば幸いです!
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