こんにちは。
日常のふとした時に感じる疑問を大切にしている管理人のハチロウです。
あなたは通り過ぎる車のナンバープレートを見てナンバープレートに書かれている「ひらがな」や2~3桁の数字の意味が気になったことはありませんか?
「ひらがなって選べるの?」
「色分けにはどんな意味があるの?」
もしかしたら、こんな疑問も感じたことがあるかもしれませんね。
車を購入するとき、ほとんどの場合は販売店がナンバープレートの手続きをしてくれるためそんなに意識することはないと思います。
でも、車のナンバープレートも調べてみると意外と面白いんです。
今回は車のナンバープレートにある役割や色分けのルールなどナンバープレートが持つ意味についてご紹介したいと思います。
この記事を読むことで、次からはあなたも車のナンバープレートを見るのが楽しくなりますよ(^^)
もう少し詳しく知りたいという方はそちらも参考にしてみてくださいね。
それでは、さっそくいってみましょう!
サクッと流し読み
車のナンバープレートが持つ役割
車のナンバープレートの役割とは、カンタンにいうと『それぞれの車をパッと見分けるため』です。
パッと何を見分けるのかというと大きく次の3つに分けられます。
道路運送車両法が意図する本来の役割
車にナンバープレートを取り付けることを義務付けしているのは道路運送車両法という法律です。
(自動車登録番号標の表示の義務)
第十九条 自動車は、第十一条第一項(同条第二項及び第十四条第二項において準用する場合を含む。)の規定により国土交通大臣又は第二十五条の自動車登録番号標交付代行者から交付を受けた自動車登録番号標を国土交通省令で定める位置に、かつ、被覆しないことその他当該自動車登録番号標に記載された自動車登録番号の識別に支障が生じないものとして国土交通省令で定める方法により表示しなければ、運行の用に供してはならない。
その道路運送車両法が車のナンバープレートに本来的に持たせている役割が次の2つです。
- 車が自動車登録ファイルに登録されていること
- きちんと検査を受け保安基準を満たしている車であること
自動車登録ファイルとは、誰が所有する車なのかを証明する目的で国土交通省が保有するデータベースのこと。
そして、この自動車登録ファイルに登録されていることを証明するものが自動車検査証(車検証)です。
このファイルに記録されているのは、自動車登録番号や登録年月日、使用者と所有者の氏名や住所などの20項目です。
ほかの法令による役割
ナンバープレートを取り付ける際には、ほかの法令を根拠とする次のような項目をクリアしていなければいけません。
- 自動車保管場所証明を取得していること
- 自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)に加入していること
- 自動車重量税を納付していること
- 自動車税と自動車取得税を納付していること
そのため、取り付けられていることを確認することで、上記の項目もクリアされていることが推定できるという役割もナンバープレートにはあるのです。
社会的な役割
- 自動車の種類や用途など
- 犯罪や違反をした車かどうか
詳細については後述しますが、車のナンバープレートを色分けしたり1~3桁の数字やひらがな等で分類したりすることによって、
「軽自動車かどうか」
「自家用か事業用か」
「レンタカーかどうか」
などといったことを見分けることができます。
また、車のナンバーなどの内容をカンタンに記憶できるものにしたり、視認しやすいもににしたりすることで、
「高速道路でお金を払わず逃げている車」
「ひき逃げしている車」
「オービス(自動速度違反取締装置)で撮影された車」
なども見分けることができるようになっています。
そのほかの役割
ナンバープレートには上記のほかにも2つの役割があります。
- 地域に愛着を持ってもらう
- 個人のアイデンティティを表現してもらう
1つめの役割は地域名をナンバープレートに表示することで地域に愛着を持ってもらうということです。
そして、2つめの役割にあるアイデンティティとは、平たくいうと個性を表現してもらうということです。
数年前から導入された希望ナンバーやご当地ナンバーなどにより、その車の所有者に自分の個性を表現してもらうということですね。
どうでしたか?意外と車のナンバープレートには多くの役割があるなと感じたのではないでしょうか?
調べてみると結構面白いですよね。
それでは次に、車のナンバープレートの見方ということでナンバープレートに書かれている「地域名」や「分類番号」と呼ばれる1桁から3桁の数字、アルファベットやひらがなで書かれている文字の意味などについてご紹介したいと思います。
車のナンバープレートが持つ意味
ナンバープレートの種類は2つ
まず、車のナンバープレートには車の種類ごとに大きく次の2つに分かれています。
- 自動車登録番号標
- 車両番号標
そして『車両番号標』とは、「検査対象自動車」と呼ばれる、二輪の小型自動車と軽自動車、「検査対象外軽自動車」と呼ばれる、軽二輪自動車に取り付けられるナンバープレートのことです。
詳細は省きますが、交付をする根拠や表示しなければならない義務、取り付ける位置や表示の方法などについて、それぞれ『道路運送車両法』や『道路運送車両法施行規則』に書かれてあります。
ナンバープレートに必要な条件
さらに、ナンバープレートはその役割を果たすために5つの条件が必要とされています。
- 一意性
- 視認性
- 記憶性
- 自動車の種類の種別
- 耐久性
同じナンバープレートがないこと
パッと見てすぐに判断できること
カンタンに覚えることができること
車の種類を識別できること
厳しい環境に長く耐えることができること
ちなみに、ナンバープレートにはもうひとつ原動機付自転車に取り付ける『原動機付自転車番号標』がありますが、こちらにも同様の条件が必要とされていますよ。
それぞれの表示が持つ意味
それでは、次は車のナンバープレートの表示からわかるそれぞれの意味を紹介していきたいと思います。
車のナンバープレートで表示されているものには次の4つがあります。
- 地域名
- 分類番号
- 平仮名(ひらがな)等
- 一連指定番号
地域名が持つ意味
地域名が持つ意味は『自動車の使用の本拠の位置』を管轄する運輸支局などです。
『自動車の使用の本拠の位置』の意味
『自動車の使用の本拠の位置』という言葉の意味について警察庁の通知では次のように書かれています。
参考 自動車の保管場所証明等事務に係る「自動車の使用の本拠の位置」の解釈基準について警察庁HP自動車の使用の本拠の位置とは、原則として、自動車の保有者その他自動車の管理責任者の所在地をいい、具体的には、自動車を運行の用に供する拠点として使用し、かつ、自動車の使用の管理をするという実態を備えている場所であるか否かで判断することとなる。
なお、道路運送車両法における「自動車の使用の本拠」についても、「自動車を運行の用に供する場合において当該場所を拠点として使用し、かつ、点検整備、運行管理等自動車の使用を管理する場所である。通常は、自動車の使用者の住所がそれに該当するが、店舗、事務所等他の場所であってもその場所において前述のような機能が営まれていれば、その場所が使用の本拠となる。
しかしながら、そのような機能が果たせない自動車の置場、例えば単なる貸し車庫等は、保管場所とはなっても使用の本拠には該当しない。」と解されている(「自動車の使用の本拠の位置について(回答)」(運輸省自動車交通局技術安全部管理課長から警察庁交通局都市交通対策課長あて平成7年8月15日付け自管第52号))。
・・・言葉が難しいですね(笑)
カンタンにまとめると、次のような感じになると思います。
「運輸支局など」とは?
旧運輸省が所管していた自動車交通に関する事務を現在行っている『国土交通省』は、管轄ごとに9つの「地方運輸局」を設置しています。
その各地方運輸局が出先機関として「運輸支局」(兵庫県のみ「神戸運輸監理部」)を設置しており、地域によっては「自動車検査登録事務所」を設置しています。
ナンバープレートの地域名が意味する『自動車の使用の本拠の位置を管轄する運輸支局など』の「運輸支局など」とは、この運輸支局・神戸運輸監理部・自動車検査登録事務所のことです。
分類番号が持つ意味
車のナンバープレートの地域名のとなりに表示されている1桁から3桁の分類番号が持つ意味は『自動車の種別や用途』です。
まず、「登録自動車」と呼ばれる、普通自動車や二輪以外の小型自動車、大型特殊自動車に取り付けられる『自動車登録番号標』の分類番号は大きく分けると次の3パターンに分けることができます。
- 貨物自動車
- 乗合自動車
- 乗用自動車
1、10番台、100番台
2、20番台、200番台
3、30番台、300番台
- 貨物自動車
- 乗用自動車
4、40番台、400番台 + 6、60番台、600番台
5、50番台、500番台 + 7、70番台、700番台
- 特殊用途自動車
- 大型特殊自動車
- 大型特殊自動車のうちで建設機械にあたるもの
8、80番台、800番台
9、90番台、900番台
0、00から09、000から099
さらに、軽自動車に取り付けられる『車両番号標』の分類番号は次のようになっています。
- 貨物自動車
- 乗用自動車
- 特殊用途自動車
40番台、400番台 + 600番台
50番台、500番台 + 700番台
80番台、800番台
上記のなかで『乗合自動車』とは「乗車定員11人以上の自動車で貨物自動車等及び特種用途自動車等以外のもの」と定義されています。
参考 自動車の用途等の区分について(依命通達)国土交通省HP分類番号が3桁になったのはいつ?
分類番号が3桁になったのは希望ナンバー制を導入したときで、登録自動車については1998年から、軽自動車については2005年からです。
分類番号の割り当てにはルールがあり、希望ナンバーではない一般のナンバー(ランダムに振り分けられるナンバー)には、ナンバーの下2桁に、登録自動車であれば『00から09』、軽自動車であれば『80から82』が割り当てられます。
そして、希望ナンバーの下2桁には、分類番号の1桁目によって次のように割り当てが決まっています。
- 1桁目が1から3
- 1桁目が4と5と8
- 1桁目が6と7
下2桁が10から98
下2桁が10から79
下2桁が00から79
- 1桁目が4と5と8
- 1桁目が6と7
下2桁が83から99
下2桁が83から99
希望ナンバーの払い出しを受ける際には、同じナンバープレートが存在しないように上記の割り当てに沿って分類番号で区別して払い出されることになります。
しかし、希望ナンバーの普及に伴い、特に人気が集中している指定番号について、割り当てることができる分類番号が少なくなってきました。
そのため、登録自動車において分類番号の下2桁にアルファベット(ローマ字)が導入される省令が2017年に施行されました。
軽自動車についても2018年8月に道路運送車両法の施行規則が改正され、登録自動車と同様に分類番号の下2桁にアルファベットが導入されています。
導入後は、2018年1月に練馬ナンバーの登録自動車で分類番号の下2桁にアルファベットが使われたナンバープレートがはじめて交付されました。その後は多くの地域で交付されています。
分類番号の下2桁に使用されるアルファベットは、数字と混同しやすい『I(アイ)』や『O(オー)』を除く次の10文字で、割り当てる数字の分類番号がなくなった指定番号に割り当てされていくことになっています。
なお、このアルファベットについて好きなアルファベットを選びたいという希望が多くあるようですが、希望ナンバー制で希望できるのは後述する『一連指定番号』のみであり、分類番号は希望することができません。
できることなら車種や自分の名前などに合わせたアルファベットが入ったナンバープレートを希望したいところですよね・・・。
平仮名(ひらがな)等が持つ意味
車のナンバープレートの平仮名(ひらがな)等が持つ意味は、その車の利用方法です。この平仮名等を見ることで『自家用』もしくは『事業用等』のどちらで利用するのかを知ることができます。
- 自家用
- レンタカー用
- 事業用
- 駐留軍人・軍属私用など
平仮名等が意味するのは上記の4つの利用方法で、それぞれに次のように「ひらがな」もしくは「アルファベット(ローマ字)」が割り当てられています。
- 自家用
- レンタカー用
- 事業用
- 駐留軍人・軍属私用など
さすせそ、たちつてと、なにぬねの、はひふほ、まみむめも、やゆ、らりるろ
われ
あいうえ、かきくけこ、を
EHKMTY、よ
- 自家用
- レンタカー用
- 事業用
- 駐留軍人・軍属私用など
あいうえ、かきくけこ、さすせそ、たちつてと、なにぬねの、はひふほ、まみむめも、やゆよ、らるろ、を
わ
りれ
AB
「駐留軍人・軍属私用など」とは?
上記のうち、「駐留軍人・軍属私用など」とは『日本に駐留している軍人や軍人以外で軍隊に属している人が私用で使用する車など』という意味です。
「駐留軍人・軍属利用など」に割り当てられている平仮名やアルファベットの割り振りについては、残念ながら国土交通省のホームページで見つけることができませんでした。
ただ、Yahoo!知恵袋には登録自動車の割り振りについて説明しているものがありましたので参考までに紹介しておきますね。
- T・・・一時輸入した車
- Y・・・米軍の関係者が日本で購入した車
- E・・・米軍の関係者が海外から携行品として持ち込んだ車
- よ・・・身分を喪失した軍人、退役した軍人の車
同回答によると、普通自動車の場合は「Y」と「E」しか払い出しをされていないようです。
また、上記には記載していない「C」や「L」、「V」も二輪用として利用されていたり「D」や「F」、「G」などのアルファベットも予備検査用として利用されているようですね。
使われない平仮名(ひらがな)がある?
上記の表を見てお気付きの方もいるかと思いますが、ひらがなの中には使われないものもあります。
使われない「ひらがな」は上記の6つの「ひらがな」で、それぞれに次のような使われない理由があります。
- お
- し
- へ
- ん
- ゐ・ゑ
「あ」「す」「む」と似ており読み間違える可能性があるため。「を」で代用する。
『死』を連想させてしまうため。
『屁』を連想させてしまうため。
発音がしづらいため。
現代では古典文学作品における公教育でだけ使用する「歴史的仮名遣い」であるため。
ちなみに、平仮名(ひらがな)等も前述した分類番号の「ひらがな」やアルファベットと同様に好きなものを選ぶことができません。
・・・残念ですね。
一連指定番号が持つ意味とは?
一連指定番号は1~4桁のアラビア数字で表示される番号で、軽自動車の場合には『車両番号』と呼びます。
この番号が持つ意味は・・・というと、残念ながら明記しているものが見当たりませんでした。
しかし、希望番号制の導入以降、記念日や縁起のいいナンバーなど、好きなナンバーを希望する方が多いことを考えると、個人のアイデンティティの表現という点で大きな役割を果たしているのではないでしょうか。
希望ナンバーでかっこいいとされる人気があるものなどについては、文章が長くなるため、後日別の記事でご紹介したいと思っています。
もっと一連指定番号について知りたいという方はぜひそちらを読んでみてくださいね。
ナンバープレートの封印とは?
車の前後に取り付けられているナンバープレートはそれぞれ2つのボルトで固定されていると思いますが、後ろに取り付けられているネジの左側だけ大きいことにお気付きですか?
さらに、そのボルトのキャップには画像のように『東』などの漢字が1文字刻印されていると思います。
これは『封印』といって「車が正式に登録され、ちゃんと検査を受けた後にナンバーが交付されていること」を証明しています。
そのため、陸運支局で登録を行わない軽自動車には『封印』がありません。
また、『封印』にはナンバープレートを簡単に取り外しできないようにすることで盗難を防止するといった役割もあります。
もし所有車のナンバープレートの封印が破損していたり、無くなっていたりする場合には法律違反で取り締まりを受けることになってしまいます。
しかも、法律違反の刑は重たく30万円以下の罰金なのだとか・・・。
封印は一度外れてしまうと元に戻すことができない仕様になっていますので、もし破損などをした場合は、すぐ最寄りの運輸支局などで再封印の手続きをしましょう。
参考 再封印北海道運輸局HPちなみに、ボルトのキャップに刻印されている漢字の一文字はその自動車の登録を行った運輸支局名(北海道の場合)もしくは都道府県の頭文字となっています。
気になった方はいま一度ご自分の車のナンバープレートを見てみてくださいね。
まとめ
今回の記事では車のナンバープレートが持つ役割や意味についてご紹介してきましたが、いかがでしたか?
普段何気なく目にするナンバープレートですが、気にして見てみると意外と面白いと感じていただけたのではないかなと思います。
まだまだ車のナンバープレートには隠された魅力がありますので、折を見て別の記事でご紹介していきたいと思っています。
今回の記事で興味を持っていただけた方はぜひそちらも楽しみにしていてくださいね。
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